傾聴ボランティアのはじめ方:保存版(2018年)

傾聴ボランティアの起源は、米国カリフォルニア州サンタモニカの
終末期医療を行う施設で行われていた緩和ケアが発祥と言われています。

それを1990年代になって日本のNPOが日本に持ち込んだそうです。

ちょうどそのころから、日本では高齢化が加速したことで、
高齢者向けの施設と入居者が爆発的に増えました。

・有料老人ホームの施設数(H1→H25):155件→8499件
・有料老人ホームの定員数(H1→H25 ):1万5742人→34万9975人

出典:厚生労働省

施設数、入居者数の増加は少子化重なり介護業界の人手不足を生み出し、
深刻な人手不足が慢性化(悪化)しています。

・介護職の有効求人倍率(H21→H28):0.44倍→1.36倍

出典:厚生労働省

10年前の状況

筆者は2005年に民間の団体が発行する心理カウンセラーの資格を取得し
2008年くらいに傾聴ボランティアができる場所を探していた時期があります。

でも当時、高齢者向け施設では傾聴ボランティアを容易に
受け入れてもらえる状況はありませんでした。

理由としては、

・まだ今ほど人手不足が深刻でなく施設内で運営ができていた
・外部のボランティアを受け入れるノウハウがなかった
・傾聴ボランティア自体の認知が低かった
・傾聴ボランティアに興味はあっても、トラブルを憂慮して頼み切れなかった・・・

行政など川上からの紹介などあれば、検討してもらえたけれケースもありますが、
それも現場職員からトラブルや手間の増加への危惧があがりなかなか実現しなかった状況です。

最近の状況(2018年)

ここ4、5年で傾聴ボランティアの状況は大きく変わりました。

いまでは、各地域の社会福祉協議会(社協)やボランティアセンター(ボラセン)の多くが、定期的~不定期に傾聴ボランティア養成講座を開催しています。

各地域の社協(orボラセン)には、傾聴ボランティアを行うボランティア団体が
最低でも1つくらいはあり、多い地域だと20を超える傾聴ボランティアが地域で活動しています。

都道府県、社協、傾聴ボランティア団体が連携した傾聴ボランティア養成講座が、
日本全国で開催されるのが普通になっています。

傾聴ボランティアと受け入れ側の施設とのパイプもできてきたため、傾聴ボランティアをしたい人は
最寄の社協、ボラセンに行くことで、比較的容易に傾聴ボランティアをしている団体を
探しやすくなっています。

また、インターネットの検索で「●●(最寄りの地域) 傾聴ボランティア」などと
検索をしてみても、見つかりやすくなっています。

傾聴ボランティアのはじめ方

社会福祉協議会に問い合わせしてみる

傾聴ボランティア団体の多くは、各地域の社会福祉協議会、または社共とつながりがある(外部委託
ボランティアセンターに登録しています。
ボランティアセンターはある地域とない地域があるので、まずは社協に連絡をして問い合わせてみるのがいいでしょう。

自分で施設に連絡してみる

10年前だと考えられないことですが、最近は、高齢者施設などに個人が直接問い合わせしてもボランティアを受け入れてくれるケースもよく耳にします。

現在施設側は人手不足が深刻で、社員の募集をしても誰も来ない。

1年中募集中というのも珍しくありません。

猫の手も借りたいというところも多いのが現状です。

個人的には、誰でも施設内に入れてしまうということで怖い気もしますが、
傾聴ボランティアをはじめボランティア活動全体の敷居が低くなった

という意味で歓迎されるものです。

また、ボランティア団体に問い合わせしてみるとわかりますが、多くの場合
傾聴ボランティアをはじめるには、その団体が主催する傾聴ボランティア養成講座を
受講する必要があります。

講座の内容は団体により様々ですが、たいたい4~10回で傾聴の基本スキルを学んだり、
高齢者の方への接し方、施設でのマナーなどを学んだりします。

養成講座を受けずにいきなりボランティア団体に所属して活動が
始められることはまずないと思うので、
養成講座が必要であるという心構えをあらかじめ持っているといいでしょう。

毎月定期的に養成講座を開催している団体もあるようですが、
年数回というケースが多いようです。

・自分が傾聴ボランティアをはじめたいタイミングと養成講座が合わなかった
・申し込もう思ったらすでに満席だった

という話はよく聞きます。

まずは、ボランティア団体に確認してみましょう。

傾聴ボランティアをやりに行く場所は?

以前は「傾聴ボランティア=高齢者向け」というイメージが固定されていました。

現在は、それ以外にもすそ野が広がってきています。

また、高齢者向けと一言で言っても、特別養護老人ホームやデイサービスなど様々です。

最近では施設に赴くのではなく、一人暮らしの方の自宅を訪問する、
訪問型の傾聴ボランティアも増えてきています。

・高齢者向け施設(特養、デイサービス…)
・高齢者住宅の集会場
・地域の集会施設
・一人暮らしの高齢者宅
・病院の入院者向け
・子育て支援施設・・・

傾聴ボランティアの対象

圧倒的に今でも多いのは高齢者の方向けの傾聴ボランティアですが、
最近では

・終末期医療や長期入院をされている方向け
・地区町村にある子育て支援施設でのお母さん向け
・孤児院などでの子供たち向け
・自死遺族や交通遺児など大切な家族を亡くされた方向け

など、対象が広がってきています。

気軽に始めるには

昔に比べて傾聴ボランティアの知名度が上がってきましたが、まだまだ無名です。

また、高齢者施設はとにかく人手不足が深刻なので、「ただ話を聴くだけ」ではなく、
お茶くみや他の雑用もお願いしたいという要望もあるかもしれません。

傾聴ボランティアするだけにこだわらず、お手伝い全般をするようなボランティアとして
施設に行くほうが、受け入れる施設側にとってもうれしいこともあります。

また行く方も、せっかく行くので役割がはっきりとある方が、居心地がいいかもしれません。

傾聴ボランティアだけでは難しいと思うようなら、他のボランティアの一員として
施設に行くのも選択肢の一つです。

何ボランティアでいっても結局、その場にいる方々とコミュニケーションをとることに
変わりはないので、傾聴ボランティアだけに限定しないのも手です。

また、社協以外に独自に傾聴ボランティアを育成している団体もあります。

(例)一般社団法人日本傾聴能力開発協会
※今後、傾聴ボランティア養成講座を開催予定

ポイント

1.ボランティア保険に入る
ボランティア活動中に何かトラブルが起きることもあります。
傾聴ボランティアに限らず、ボランティア活動をする際はボランティア活動保険に入りましょう。

>>大阪府&東京都ボランティア活動保険について平成30年度版(PDF)

2.社共、ボラセンはつなぐのが役割です
社共、ボラセンの役割はばらばらに活動しているボランティア団体などの情報をワンストップでわかりやすく紹介できるようにすることです。

もちろんボランティア団体と連携してイベントなどをするときもありますが、あくまでつなぐのが役割なので、就職先を斡旋するように特定の団体にだれかを紹介するということはありません。

連絡先を教えてもらった後は、あくまでボランティア団体と個人との直接交渉になりますので、
自己責任として社共もボラセンも使いましょう。

3.都道府県ではなく地域の社協に連絡する
社会福祉協議会は全国組織で、「●●県」社会福祉協議会という都道府県単位のものと、
「●●市」社会福祉協議会と地区町村単位のものがあります。

都道府県のほうに連絡しても、きっとお近くの地域を尋ねられて、
市区町村の社会福祉協議会を紹介されるだけなので、
はじめからお近くの市区町村の社会福祉協議会に連絡するのがいいでしょう。

(一応)
都道府県別社協一覧

※こちらから市区町村の社協へのリンクを探すことも一応できます。

(例)
>東京都内の社協

>大阪府内の社協

まとめ


いかがだったでしょうか?

傾聴ボランティアという言葉自体、初めて聞いたという人もいるかもしれません。

言葉は知っていたけれど、どうすれば始められるかわからなかったという人もいるかもしれません。

まずはお近くの社協に連絡してみると、いいでしょう。

関連情報:傾聴の学校

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