傾聴の「伝え返し」が上手くなる3つのポイント

「くり返す」より「伝え返す」

以前の記事でご紹介た通りです。

最近では単純なオウム返しと誤解される「くり返し」より、「伝え返し」で確認をとるという考え方が主流になってきています。

(過去記事)

ものすごく単純化していうと「くり返し」は短い「単語」が多く、伝え返しは、要するにという「全体をまとめた文章」によくなります。

文章を頭で覚えようとすると、そんなに記憶できないのであせってきます。

今回はくり返しではない、相手を理解するための伝え返しをどのようにすればよいか、ポイントをまとめました。

なぜ伝え返すのか?

まず最初に確認です。

・「くり返し」→会話の中から居間で敵単語をくり返す

・「伝え返し」→聴き手が話を聴きながら理解できた(と思っている)内容が話し手にしっくりくるか確認する

伝え返しとは「相手と共にわかっていくこと」です。

カウンセラー(聴き手)が上で、話し手が下ではありません。

総頭でわかっていてもつい、カウンセラー自分の立場から、「聞いてあげるからには一発でわかってあげなければ」と力みがちです。

また、実際1回聞いて「分かった」と思い込んでしまうのも危険です。

じっくり確認をとりながら、共に理解を深めていくというのが伝え返しの趣旨であり効果です。

なにを伝え返すのか?

結論から先にいうと形上は

「~ですね」と断定するのではなく、まず「~でしょうか?」と確認しましょう。

ということになります。

でもこれは単に語尾の違いだけでなく、聴き手としてのスタンス(立ち位置)の違いにより語尾が変わるのです。

・要約(~ですね)
 →「私はちゃんと理解し終えている」という立ち位置。誤解があったとき訂正がしにくい、押し付ける言い方

・伝え返し(~でしょうか?)

 →「私はまだわかっていないことがあるはず」というともに分かりあっていこうという謙虚な姿勢

聴き取った全体の「気持ち」の「根っこの主訴」を中心に「簡潔に」伝え返します。

主訴は2つの視点から、大きく4つに分類されます。

<4つの主訴の視点>

●表の主訴
話し手が自覚し言語化できるできている課題や問題(顕在意識)

●裏の主訴
話し手が自覚できていないが、言動に表れていたり、深く自分を見つめながら気づいていくその人独自の心の課題や問題(潜在意識)

◆事柄の主訴
事実関係の要点

◆気持ちの主訴
事柄についての想いの要点

傾聴では、表裏&事柄・気持ち、すべての話を聴きながら気持ちの主訴に応答し、ともに理解し支えていこうとします。

例)
「今年の4月に入社してまだ1か月ちょっとしかたっていません。でももうすでに仕事がいやになってきていて。こんな雑用するために入ったんじゃない。このままずっと何十年もやっていくのかと思うと気が遠くなります。もちろんやっていくうちに変化していくと頭でわかっていても、周りの同僚たちにはすごく仕事が出来る人もいるし、このまま、この中でやっていけるのかと考えてしまって不安になってしまいます。そうしたらもう、毎日の仕事に集中できなくて。終業時間が車でただ時間をつぶしている感じです。でもやめても次何やりたいかわからないし。でも、とりあえずゆっくり休んで考えたほうがいいかもとも思います。こんなことを考えている自分が嫌です」

—————————-
× 事柄が主の表面的な伝え返し
—————————-

「4月に入社して、雑用が嫌になって、仕事をやめたくなっているんですね。ただ終業時間を待っている日々なので、休職を考えているのですね」

→事実関係を主にまとめているだけ

—————————-
× 気持ちが主の表面的な伝え返し
—————————-

「仕事が嫌になっているのですね。それと、このままでいいのかと思うのですね。不安もあるんですね。そんな事を考える自分が嫌なんですね。」

→記憶した感情のワードを並べているだけ

—————————-
〇 気持ちが主の裏の気持ちへの伝え返し
—————————-

「まだ1か月なのに・・・。こんなことするために入ったんじゃない・・・、このまま、この中でやっていけるのか・・・。頭では変化していくと分かっていても、不安で・・・集中できない・・・。とりあえず休んでみようかという思いもあるし、こんなこと考えている自分がイヤダ・・・という感じでしょうか・・・?」

→話し手はそのことに何を感じているのか?言葉、表情、その他を感じ取りながら、聴き手が感じたことを慎重に確認している感じ

頭で覚えようとするのではなく、相手の発した言葉から感じようとして聴きます。

自分の「頭」にのこった言葉を引っ張り出す感じではなく、「心に響いたもの」を、相手の表現もよく使い、丁寧に言語化して伝え返します。

当てに行かない・推測しない

理解するとは一回で言い当てることではありません。

もともと他人の気持ちを理解するとは容易ではないことです。

相手の受け止めていること、受け止めきれていないことを確認しながら、一緒に深めていくことこそが、正直な気持ちを理解しあえる信頼関係を作りを育てていきます。

「間違わないように伝え返そう」とするのではなく、「間違っても許しあい、訂正しあえる関係」作りを目指しましょう。

まとめ

人間の脳は「全体を理解しなくちゃ=頭で記憶しなくちゃ」というクセがついています。

頭で覚えようとする習慣を、心で覚えるようにする、あるいは、頭と心をつなぐトレーニングを積むことで段々と心情的な全体像が理解しやすくなってきます。

「くり返そう」ではなく、「確認をとろう」という気持ちをちょっと持って聴くだけで、人間関係は柔らかくなるはずです。

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