傾聴力を高めたい人は知っておきたい学習法

傾聴講座来る人は当然、聴く力を向上させたいと思ってくるわけです。

でも、聴く力をあげること自体は、ある別の目的を達成するための
手段でしかないことを自覚してくる方はあまり多くありません。

8年前まで、傾聴の研修依頼されたときは2つの構成で行っていました。

1.傾聴の正しい知識の伝授
2.うなずき、あいづち、くり返しなどの傾聴の基本スキルのロールプレイ

みなさんそれを求めてくるから、それでいいと思っていたんですね。

でもあるとき、知識の伝授とロールプレイをくり返しているだけでは
ぜったいに傾聴力が身につかないことに気がついてしまったのです。

知識とスキル学習では傾聴力は絶対にあがらない


しばらく何が足りなんだろう?と悩みました。

そんな悩みを解決してくれたのは、
某一部上場の電気機器メーカーの幹部研修に行った際、
昼食をご一緒した、ある男性管理職の方が冗談交じりで言ったある一言がきっかけでした。

「傾聴、確かに大事ですよね。部下の話をちゃんと聴けたらいいと思います。
 ・・・でも、私の話は誰が聞いてくれるんですかね(苦笑)」

その時は何とも思わなかったのですが、
時間がたってもなぜかそのことがずっと気になっていまして。

何年もたってから、あの時の管理職の方の言葉こそが
知識とスキルの伝授だけでは聴き上手が育たない、
最も大きく、明快な答えだったと気づいたのです。

つまり、

「自分の心が整っていなければ、知識もスキルも役にたたない」

という当たり前のことに気付いたのです。

心が整っている前提(自己責任)でいくら研修をしても、
心がちゃんと整っている人なんか、もともとほとんどいないわけです。

そっちの支援の方が大切だよなと。

傾聴の講座に自主的に来る方の意識は傾聴の知識とスキルを学んで、
傾聴力をアップさせようと思ってくるわけです。

でも、そういう発想がわいてくる人が抱えている問題というのは、
以下に集約して表現することができます。

「相手の言動に対して、心が激しく動きすぎてしまう。あるいは、凍り付き固まり過ぎてしまう」

という問題を抱えている人ばかりだということです。

・反論、意見、さえぎりをしたくなる
・持論や自分の持っている知識を披露したくなる
・今日皆がない話だと心が閉じてしまう
・自分にも心当たりがある話題だと割り込んで、会話泥棒をしたくなる
・いろいろ言いたいのにガマンしていてつらい
・イライラしているとき、心配事があるときにちゃんと人の話を聴けない

何かに心が動きすぎてしまったり、固まり過ぎてしまう自分を感じているから、
それを解消できる「何か」を探してくるのでしょう。

それがたまたま傾聴だと思っただけということ。

なので、いつもでも心穏やかに拾心でいられる人は、
ぜったいに傾聴の講座にはきません。

人と関わっている中で心が過剰に動きすぎたり
固まり過ぎたりしない人は、傾聴を習おうとは思わないわけです。

主訴の解決が大事


解決したいもの(目的)は
「心が動きすぎる、固まり過ぎることなく人と接したい」。

そのための手段が傾聴かも知れないと思っただけ。

だから、知識やスキルをたくさん与えるだけの研修では聴き上手は育たないのです。

聴き上手を育てる際にもっとも重要なのは、

人と向き合っている最中に、その人がいかに心穏やかでいられるかの支援

だと気づいたいのです。

心が整っていてはじめて、得た知識やスキルを存分に使いこなせるようになります。

8年前、そのことに気がついて以来、自信が開催する傾聴講座の中に、
「楽に聴ける自分づくりの方法」を入れるようにしました。

するとそこが心に響いたお客さんがたくさんいて、
来てくださるようになりました。

あのままずっと傾聴の知識やスキルを伝えることを
目的と勘違いしたまま過ごしていたら
今のように傾聴1日講座®が広がることはなかったでしょうね。

まとめ

いかがでしょうか?

あなたは「目的」と思っていたものが、ただの手段だったと気づいた瞬間はありますか?

表向きに訴えられいる言葉の裏には、そう思いたくなる心の根っこが必ずあります。

その心の根っこのことを「主訴」と言います。

ビジネス用語でいうならお客さんの
Wantsを満たすのではなくてNeedsを満たすと言っても同じ意味です。

主訴を聴きとれると、人の要望にも応えやすくなります。

練習として、自分の心の主訴を聴きとる練習がお勧めです。

自分の心の主訴がちゃんとわかる人は、人の心の主訴も分かりやすくなります。

よかったらやってみてください。

関連情報:初心者のための傾聴1日講座

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