傾聴で「くり返し」がうまくなる3つのポイント

傾聴の代表的なスキルとして「くり返し」があります。

よく昔は「オウム返し」と言われたり、専門書では「感情の反射」と表現されてきました。

どちらも「ただ相手が発した言葉を繰り返していればよい」かのようにいまでも誤解されがちです。

今回は、本来のくり返しとは何か?どの様にすればよいか?

ポイントをまとめてみました。

確認をとる姿勢で行う

最近の傾聴関連の書籍など見ていると、流れとしては「くり返そう」「反射しよう」という表現は「伝え返して確認をしよう」という方向に修正されつつあります。

例)諸富祥彦の傾聴講座

・×単語を聴きとり→単語をくり返す
・○気持ちのワードも含め全体を聴きとり→心情的な部分の全体の理解度を確認する

です。

聴き手の理解度の「確認」が主目的なので、言い方も

「●●なんですね」

と断定するよりも、

「●●なのでしょうか?」

とやさしく尋ねる姿勢で行いましょう。

・×断定(「~ですね」と要約)
・〇確認(「~でしょうか」と伝え返す)

くり返そうとするのではなく、「確認をする」姿勢を持つことが大切です。

言葉に敏感になれる

これは私の個人的なやりかたですが、いきなり「相手の心情的な訴えを全体を確認しましょう」といわれても、多くの人は戸惑います。

そもそも「心情的な訴えとは何か?」の基準が明確でないと、ぼんやりとした曖昧なもののになってしまいます。

そこで感情表現に敏感になるための一つの方法として、あえて私は従来通りの感情をあらわす「単語」の「くり返し」の練習をします。

たとえば、以下の2つの文章は心情的にまったく違うものを表しています。

A「そういう面がある」
B「そういう面もある」

Aの対象は1つである可能性があり、Bは複数の中の一部のみを表しています。

Bの「そういう面もある」と話し手が発したときに、聴き手がAの「そういう面があるのですね」とくり返したらどうなるでしょう?

別に気にしない話してもいますが、「が」と「も」の違いに引っかかり、ちゃんと理解されていないと感じる人が必ず出てきます。(例えば私のように)

それ以前に「感情を表すワード」の意味もちゃんと理解されていません。

傾聴で取り扱う「感情」とは一般的に思われている「形容詞」だけではなく、その人にとっての「意味や価値を表す表現」全般が対象となります。

・×感情=形容詞
・〇感情=形容詞+意味や価値を表す表現

(正確にはちょっと違うのですが、上記の表現が伝わりやすいのでそのようにお伝えしています)

傾聴的な感情を表す言葉を知り、それを丁寧に取り扱う練習として、従来どおりのくり返しのような練習も有効です。

感じたことからくり返す

ただ相手がいった言葉を聞き、言葉だけ返していると、無機質で距離を感じるくり返しになります。

・×言葉を聞く→言葉をくり返す
・〇言葉を聞く→その言葉から「聴き手自身の心」が「何か」を感じる→感じたことをベースに「相手が使った言葉で」くり返す

くり返しの練習は「聴き手自身が感じたこと」と話し手が発した言葉っが一致したときに、ちゃんと心情を理解したものとして伝わります。

「考えるな、感じろ!」

これは映画「燃えよドラゴン」で主演のブルース・リーが放った言葉ですが、くり返しも同じです。

くり返しの練習とは、頭で考えながら聴きがちな状態を心につないでいく練習です。

・・・

言葉をくり返すことが目的ではありません。相手の気持ちを理解するためのプロセスです。

感情のワードの理解とくり返しの練習をすることで、伝え返しをして相手と心の深い部分での理解を共有していくのに役立ちます。

・×くり返しをしたら相手が気づく
・×くり返したらそれだけで聴いたことになる

ただくり返しをしただけで傾聴したと思わないよう、短絡的な理解は捨てましょう。

・×くり返し=傾聴

くり返しの練習をしながら感情表現への感度をあげ、伝え返しにつなげていくことで傾聴力があがります。

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